イベント参加メモ: kiitok Career Market Vol.1

2/1(土)に Career Market | mixi、CA、DMM等のメガベンとスタートアップのエンジニアが集い、キャリアを語るカンファレンス に参加してきました。
“Vol.1 メガベンとスタートアップで得られるキャリア資産の違いとは?” とも題されており、メガベンチャーやスタートアップで活躍されているエンジニア出身の偉い人や現役エンジニアの方々が登壇されていろいろ語る、というものでした。
当日取ったメモをポストします。


Keynote Session: メガベンチャー/スタートアップでのエンジニアのキャリパスのすべてとその歩み方

転職/退職したい理由とは

  • 新しいものに惹かれているのか?今の環境から離れたいのか?
  • その技術を極めたいならコミュニティにいけばいい。その技術を使ったたくさんの人が使うサービスを作りたいならその会社に行けばいい

環境から離れるタイミング

  • 未来が自分の想像できる範囲になると離れる人もいれば、未来が見えないと不安になる人もいる
  • 自分にとってストレッチの効いたミッションがその環境になくなったら
    • 成長するとスコープが大きくなる
  • 何をやりたいのか?
    • 長期的な視点と、短期的な視点が必要
  • 入るための道具と、入ってから得られる道具は違う
    • 道具を目的に合わせていったん整理する
    • 入るための道具は一本強いのがあれば大丈夫では
    • 意味ない筋肉はあまりないけど、見せる筋肉はここだけ、みたいな
    • これやって意味あるのかな?と思うより、信じて行うことが大事
  • やってみたら意味があったこと
    • マーケティングとか。昔はバカにしていた
  • 人と比較するのはやめましょう。しかしポジティブな人たちと一緒に働くことが重要
  • お互いに何が強いのか尊重しあえるチームがヘルシー
  • いいやつになること。口角をあげよう。話しかけられるような人になろう
  • Give First
    • 相手が論理的に話しているのか、感情的に話しているのか。慰めてほしいのか、アドバイスがほしいのかを見極めて話そう
    • 相手から思わしくない反応があるときもあるが「こんなにしてやってるのに」と思った時点で本当のGiveではない。Giveし続けることが大事。

Session1: メガベンとスタートアップの現場の本音。採用、異動、開発現場、組織文化、給与、評価についてポジもネガも包み隠さず話します

どんな人が採用されやすいのか?

  • 採用基準は?
    • その人がチームに入ったときに何が起きるのか、想像できること
    • 自走できるかどうか
    • 型を身につけているかどうか。軸足は残してもらって、プラスチャレンジをしてもらいたい
    • スタートアップはそれぞれの強みをいかしてチームで進んでいけることが重要
  • 面接でどんな質問してる?
    • どんな瞬間が嬉しいか?
    • 成果とアプローチどちらか一個でいいので、すごいのを教えてください
      • よくあるのが、成果なんだけどチームの成果です、ってパターン
      • 個人の話を語ってほしい
    • その人の得意技はなんなのか?
    • ビジネスに対する理解や興味はどのくらいあるか?
    • チームメートにどこを頼られますか?
  • 開発言語やツールはどうやって決まるのか
    • 現場の声は比較的反映される(CA)
      • どっかの部署で使ってみて、うまくいったら全社に展開するパターンが多い
    • どれだけ再利用できるのか?(EXAWIZARDS)
      • ドキュメンテーション必須
      • 有識者が決定したら、議論の余地はない
  • 開発組織の文化
    • 自分が言ったものが伝わらない前提でコミュニケーションする(EXAWIZARDS)
    • 成果物をきちんと計測/数値化して、自分の仕事に自信を持ってもらう
  • 評価制度
    • 技術的に難易度が高いことへの挑戦、ビジネスの成功は分離して考える(EXAWIZARDS)
    • 評価はしない。フィードバックはする(PLAID)
    • ここ1、2年でようやく整ってきた。グレード制。透明性を重視(CA)
  • 第二新卒の採用基準
    • いまの環境がいやだ!という人は、自分の会社に来てもそうなってしまうのではないか、と思ってしまう
    • 個人でアウトプットしている人
  • 技術領域の広げ方
    • 一年に一つ新しいことをやるといい。同時に複数のことはやらない
    • 尖っていないから表に出てないけど、手広くやって社内で活躍している人も多い(CA)
    • スタートアップは何でもやらなきゃいけない。でも軸がある人の方が良い

Session2: なぜ私はこのキャリアパスを歩んできたか?スタートアップとメガベンキャリアを選択してきた第一線エンジニアに聞く

戦略性:そのキャリア、狙ってましたか?

  • 掛け算的なキャリアにすべし

キャリアの意思決定

  • 今後自分がやりたい領域にいけば。自分の場合はスマホシフトの時期に、それにちゃんと向き合っている会社へ行った(黒木さん)
  • やりきった感。何をやりたいんだ自分は、となった時期があったが、どこに行っていいかわからなかったので転職をいったんやめた。プライベートを充実させ、悩みから離れた。社内転職して気分を変えた。(二串さん)
  • 120%頑張れば届く、ところにチャレンジする。それ以上ストレッチすると失敗する。手の届くところを高くするために、日々精進すべし
  • 転職するなら、なぜこの会社を辞めたいのか。なぜこの会社に入りたいのか。これがちゃんと説明できるべき

Session3: 2025年までのエンジニア生存戦略

この過去5年で起きているトレンドの変化

  • オンプレがクラウドになった。いろんなことがソフトウェアに飲み込まれた
  • Firebase とかが出てきて、バックエンドエンジニアへの需要に変化が?
  • メルカリ筆頭にスタートアップ増えた。資金調達とか
  • デジタルトランスフォーメーション
  • Horizontal Saas はレッドオーシャン化した。Private な Saas とか、ターゲットを絞った Saas が流行 需要の変化
  • オフショアを活用すると、その単価と競争しないといけない
    • その領域、その分野しかできない、となると需要は減る
    • 掛け算ができていないと需要は減る
  • 自分で企画はできないけども、事業は理解できる、とかでないと。技術だけできるワガママなエンジニアはもう生き残れない
  • 技術アンテナが立っていることが重要。Java/PHP をやっていること自体は悪くない。ただ、海外にライバルが多い
  • システム全体を設計できるか?が重要
  • どれだけシステムの目的志向で動けているか
  • 技術的な知識やドメインの知識は必要条件であって、十分条件ではない
    • サービスを届けられて、事業が成功すれば、最悪知らなくていい。知っていないと普通はできないから知るべき、というだけ
  • ソフトウェアがすべてを飲み込むことで、大きなことを小さなチームでできるようになった
  • コミュニケーション能力があって、好奇心を持つこと。そうでないとチーム内で浮いてしまう。9割ディスカッションしていて、1割作業する、とか、極端に言えばその方がいい
  • 仕様が決まっていなかったら、こちらから提案する、という姿勢

求人ニーズの変化

  • 未経験を取らなくなった
  • じゃぶじゃぶした VC 投資は減ってくるはず。スタートアップは減っていく
  • 大企業が DX を進める文脈で、小さいチームで小さいサービスを作っていく、というのは今後も続く
  • サーバーサイドは本質的に、サービスとして実際の運用をしたことがないとできない
  • 会社は何らかのサービスを提供している。それを巻き取るような動きをしていけば経験が積める

メモは以上。

エンジニアとしての生存戦略を考えるという点で、とても参考になる話ばかりでした。
第一線で活躍されている方々を見たり話を聞いたりすると、やる気が湧いてきます。登壇者の方も語っていましたが、ポジティブなエネルギーを発している人と仕事をするってことが重要ですね。
僕もまだまだ、エンジニアとして食っていくぞ。

30代半ばフロントエンドエンジニア、テクニカルディレクターの転職活動について

転職をした訳だが、想像以上に苦労したのでその旨、誰かの役に立つかもしれないと思って Web 上に記録しておきたい。

当方、Web 制作会社に9年間勤めたフロントエンドエンジニア兼テクニカルディレクターである。年齢は30代半ば。受託案件ではなく、自社サービスやプロダクトの開発がやりたくて転職を決意する。

2017年4月、退職を上司に宣言した上で転職活動を始めた。 6月に現職業務終了、7〜8月に有休消化して退職、8月中旬に新環境で就業、という予定を建てていた。

まずはエージェントなどに頼らず、自分自身の力で転職活動を経験してみたいと思ったので、求人サービスにプロフィール登録してみた。 結果的に Wantedlypaizapasonatechgreen を利用。

  • 実働の割合的にはほぼ Wantedly 経由でのスカウトや応募だった。実働は会社訪問6件、面接2件
  • paiza はサーバーサイドの仕事が多くほぼ自分とマッチしなかったが、実働は面接4件
  • green は最低限のプロフィールだけ登録して一晩置いたら、匿名スカウトが何通も届いていたのでうんざりして使うのをやめた。よって実働なし。ロクにプロフィールを書いてもいないのに、スカウトをよこす人事って一体…。下手な鉄砲も数打ちゃ当たるという感じ?
  • pasonatech は10年前くらいに派遣社員をやっていたときにお世話になっていた派遣会社。サービス内の検索でヒットした求人に条件に合うものがほぼなかったので、応募はしなかった。よって実働なし

転職先の希望条件について

転職先について、以下のような希望があった。

事業面

  • 自社サービスやプロダクトを活発に運営している
  • 会社が目指すべき明瞭なビジョンがある
  • 新規事業に対して積極的
  • 娯楽事業(ゲーム、映画、音楽、ギャンブルなど)とマッチング事業は、やりがいを感じられそうにないので避けたい
  • デザイナーが社内にいる
  • 極力制作を外注に出さない
  • 正社員が30人以上いる

文化・生活面

  • スーツで出勤しなくていい
  • できれば朝早く出勤しなくていい
  • できればオフィスがダサくない
  • できればパーティーとか社員旅行とか煩わしいイベントが多くない

待遇面

  • 年収が現在より下がらない
  • 一般的な福利厚生がある

活動概況

Wantedly、paiza、green ではプロフィール登録すると、すぐに何件かスカウトメッセージをもらった。まずまずの手応えを感じつつ会社訪問に行く。

正直、転職先のイメージなんて曖昧なものでしかなかった。何せ9年間、同じ会社に勤めていたのだから。軽く浦島太郎のような感覚であった。 実際にそのような会社に訪れ、担当の方と何人もお話をすることによって、どんどんと外界の様子が分かってきて、自分のしたいこと、したくないこと、企業の求めることが明確になっていくのを感じた。履歴書や職務経歴書などのレジュメも、そのフィードバックにより徐々に改善した…はずだと思う。

マッチングの難しさ

スカウトされたので面接に行くがマッチングしない、もしくは落選となる、ということはよくあった。(期待外れの人材でどうもすいません…)

マッチングしない原因としては以下のようなことが考えられた。

  • 活動初期は自分の求める転職先のイメージが不明瞭であったが故、希望する事業内容と異なった企業にも話を聞きに行ってしまっていた
  • 期待されるポジションが自分の希望する内容ではなかったので、違うポジションを希望したが聞き入れられなかった
  • 担当者と明らかにウマが合わなかった(高圧的な担当者だった)
  • 企業側が期待するスキルと、僕のスキルセットが違っていた。なのになぜかスカウトされているという状況
  • 企業側の想定年収と、こちらの希望年収が合わない。

面接落選となるケースの原因はというと。

  • 登録プロフィールが不十分だった?(実際にお会いすると魅力を感じてもらえなかった様子)
  • 活動初期は面接の要領が悪く、自己 PR が上手くできていなかった。スカウトされているが故、「選考されている立場」を自分がよく理解していなかった
  • 技術試験に落選した(スキルセットのミスマッチ)

ちなみに、こちらからお断りしたケースは以下のようなものがある。

  • 求人サービスの説明に書いてあることと、実態が異なっていた
  • 担当者が不誠実だった(当日約束の時間に現れなかった)
  • 実際に話を聞いてみると、事業内容がとても不安定に感じられた

年収については年齢や人生のフェーズとも関連している。例えば今の僕が新卒社員並みの年収で働けるかというと、答えはもちろんNOだ。これは期待されるスキルや職務内容とももちろん絡み合っていて「その年収を希望するなら(その年齢なら)これくらいはスキルがないと」ということになる。

こういったミスマッチが生まれる原因の根本にはもちろん自分の至らなさがあるが、それを前提として別の原因の一つとして、採用担当者がプロフィールをよく見てくれていない、と感じることが多数あった。

求人サービス側で気軽にスカウトができるシステムになっているので仕方がない面もあるが、スカウトするからにはそれなりに責任を持ってしてほしいと思った次第。また paiza では、スカウトを辞退しても、また同じ会社からスカウトが届くことが何回かあった。辞退された人に再び送れるようになっているシステムも問題かと思った。

paiza ではサービス上でスキルチェック問題を解くことによって自分のランクが決定し、そのランクに合わせて企業からスカウトしてもらえる、という仕組み。僕はフロントエンドエンジニアなので Node.js で全ての問題を解いていた。だが、スカウトされる案件がほぼ PHP でのスカウトだった。確かに PHP の経験年数は登録しているけど…。それがウリじゃない、というところで勝負しなければならなかったという、なんというか不幸。

今時のWebサービスでは Node.js って需要なさそう、と思ってしまった。ちなみに求人の件数は Ruby on Rails エンジニアが一番という印象。猫も杓子も Ruby on Raild。ウーム…。

マッチングの話とはあまり関係ないが、スカウト後の面接で結果が出るまで1ヶ月くらい待たされて、結果は落選、というケースがあった。自分勝手で失礼な企業だと思った。すいません、これは愚痴だな。

技術試験について

数社では技術試験が課されたが、その内容の難しさに心を折られそうになる。 本当に優秀な人しか取りたくないのだ。企業側も真剣である。

ある1社のものは特定の日時にメールで課題が送られてきて、3時間後までに回答を返信せよ、というものだった。 論述問題を3問と、プログラミング問題2〜3問。ほぼサーバーサイドエンジニア向けの問題で、自分に馴染みのないものだったが…、技術問題は Node.js でどうにか回答。 案の定、力不足でこれは落選となった。

別のある1社のものはフレームワークごとプロジェクトファイルと SQL データが送られてきて、これこれこういうビジネスロジックを構築せよ、というものだった。 回答期限は一週間後くらいだったので、週末を使って問題を解く。自分がある程度知っている PHP フレームワークだったので、回答することはできたが…。SQL に明るくないという自分の弱点が浮き彫りになり、これも落選。 こちらの会社では落選の通知の際に、ダメなポイントを全てコメントして教えてくれた。なんと誠実な採点担当者だろうか。ありがとうございました。

それにしても「試験に落ちる」のはやっぱり凹むのである。

とはいえ自分の弱点が端的に理解できるし、企業が求めている人材は「こういうことができる人」ということもダイレクトに理解できた。なんとも学びの多い経験であった。


あとがき

結果的に求人サービスとは違った繋がりでご縁があり、転職先は決まった。(前のエントリーでご報告した通り

なぜここまで苦労する必要があったのか、とも思う。エージェントに相談に乗ってもらったり、知人のツテを頼るなど、他にいくらでもやり方はあったはず。

おそらく自分は転職という人生の転機を他人に委ねるのではなく、「自分にできること十分にやる、やった」という納得感が欲しかったのだろうと思う。また、転職活動を進めていくうちに、どんどん慣れて上手になっていくというか、自分が上達していくことが楽しさを感じていたということもある。面接にしても、レジュメ制作にしても、やればやるほど上手くできるようになる。

ただ、結果が出るかどうかはまた別の話であった。どんなに面接が上手くできても技術試験で落ちたり、事業内容が自分の希望と違ったり…、と色々あった。

転職とは最終的にはその企業や担当者とのご縁であると、そう締めくくりたい。