XAMPPでMovable Typeを動作させるチュートリアルの第3弾です。
- XAMPPのインストール、Apacheの設定
- ActivePerlのインストールと設定、MySQLの設定
- ImageMagickのインストール、Movable Typeのインストール
今回はImageMagickのインストールと、MovableTypeのインストールを扱い、全3回の記事の最後とします。
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ImageMagickのダウンロードページにアクセスし、左に並んでいるメニューの中から「Release→Windows」を選択します。
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「Windows Binary Release」という見出しのページが表示され、ダウンロードできるパッケージの一覧が表示されます。この中から「ImageMagick-6.6.0-3-Q8-windows-dll.exe」を選択します。HTTPとFTPどちらでダウンロードしても構いません。
6.6.0-3
というところはバージョンを表しているようなので、その時によって最新となるバージョンは異なっているかもしれません。
また、お使いのマシンが64bitなら「ImageMagick-6.6.0-3-Q16-windows-x64-static.exe」を選んでください。 -
ダウンロードしたインストーラーファイルを実行します。インストールウィザードが始まります。
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ライセンスを読み、「I accept the agreement(ライセンスに同意)」を選択して「Next」をクリックします。
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「information」が表示されるので適当に読んで「Next」をクリック。
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インストールするディレクトリを選択する画面になります。適当に変更しても構いませんが、今回はあえてデフォルトのままでいきます。「Next」をクリックします。
「Program Files」というようにディレクトリ名に半角スペースが入ると、この後のPerlとの連携でダメになりそうな気がするのですが・・・意外にも大丈夫なんですね。 -
スタートメニューになんという名前で登録されるかを設定する画面になります。特に変更せず「Next」をクリック。
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インストールの追加オプションを選択する画面になります。ここで忘れずに「Install PerlMagick for ActiveState Perl v5.10.1 build 1007」を選択します。これでActivePerlと連携するためのPerlモジュールが一緒にインストールされます。「Next」をクリック。
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これでインストールのための設定は終わりとなります。「Install」をクリックしてしばらく待ちます。
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もう一度「Information」が表示されます。「Next」をクリック。
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これでインストールは完了となります。「Finish」をクリックします。
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さて、正しくインストールできたかどうか、mt-check.cgi(前回までの設定を正しく行っていれば http://site1.localhost/mtos/mt-check.cgi というURL)にブラウザでアクセスしてみましょう。すると、
perl.exe – コンポーネントが見つかりません
というアラートが表示され、正しく実行できなくなっています。さきほどインストールしたImageMagickのdllファイルを呼び出そうとして、失敗していることが分かります。これはImageMagickインストール時に設定された環境変数が、まだシステムに認識されていないために起こる問題なので、Windowsを再起動することで解決します。作業を中断し、ひとまず一旦再起動です。 -
Windowsが起動したら、忘れずにApacheとMySQLを起動しましょう。デスクトップに追加されたショートカットやスタートメニューから「XAMPP Control Panel」を起動し、ApacheとMySQLの「Start」ボタンをクリックし、「Running」状態にします。
ApacheやMySQLをシステムの「サービス」として登録するとWindowsが起動すると同時にこれらも起動するようになりますが、今回はこの設定は行いません。 -
改めてmt-check.cgiにブラウザでアクセスします。「Image::Magick」項目の黄色いエラー表示が消えていることを確認します。
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これでMovable Typeを使う準備がようやく整いましたので、早速インストールを行いましょう。MovableType(ここではMTOS 5.01)のファイルを保存したディレクトリ(http://site1.localhost/mtos/)にブラウザでアクセスし、「サインイン」をクリックします。
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するとmt-wizard.cgiというプログラムが実行され、インストールウィザードが始まります。
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システムチェックが実行され、
必要なPerlモジュールはそろっています。Movable Typeのインストールを続行する準備が整いました。
と表示されます。
と同時にオプションのPerlモジュールのうちいくつかが見つかりませんでした。
と表示されます。「オプションモジュールを表示」をクリックするとシステムにインストールされていないモジュールの一覧を見ることができます。 -
Crypt::DSA や IPC::Run といったPerlモジュールがインストールされていないことが分かりますが、今回は使用することはないので「次へ」進みます。必要な場合は一旦インストールウィザードを中断し、前回のようにPPMを使ってインストールするといいでしょう。
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データベースの設定の画面となります。「データベースの種類」には「MySQLデータベース(推奨)」を選択しましょう。
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データベースの設定項目が出現しますので各項目を以下のように設定し、「接続テスト」をクリックします。
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データベースの設定を完了しました。
と表示されます。「次へ」をクリック。 -
「メール設定」という画面となりますが、今回は特に設定せず「次へ」をクリック。
もし必要となった場合、後で設定できます -
「テンポラリディレクトリの設定」画面となります。テンポラリディレクトリはMovable Typeのシステムが画像などのデータやバックアップデータなどを扱う際、一時的にデータ置き場として利用されるディレクトリです。適当なディレクトリを設定しましょう。ここでは C:\Windows\Temp とし、「次へ」をクリック。
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これでMovableTypeの設定ファイル(mt-config.cgi)が生成され、今まで設定した情報が書き込まれます。mt-config.cgiが正しく生成されたことを確認し、「次へ」をクリック。
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Movable Typeにログインするためのアカウントを作成する画面になります。
- ユーザー名
- 表示名
- 電子メール
- 使用言語
- パスワード
以上の項目を設定できますが、ログインに使用するのは「ユーザー名」と「パスワード」だけです。
適当に入力したら「次へ」をクリック。
ここで設定する項目は後で変更することができます。 -
「最初のウェブサイト」を作成という画面となり、Movable Typeで管理するウェブサイトを設定する画面となります。
- ウェブサイト名
- Site1
(適当なサイト名) - ウェブサイトURL
- http://site1.localhost/
(Movable TypeがインストールされたサイトのURL) - 公開パス
- D:\htdocs\site1
(Movable Typeがインストールされたサイトのディレクトリ。Windows環境だとディレクトリ区切りがバックスラッシュになりますのでご注意を) - テーマ
- クラシックウェブサイト
(どれでもOKです。選択によって設定されるテンプレートが変更されます) - タイムゾーン
- UTC+9(日本標準時)
上記のように設定したら、「インストール」をクリックします。
「ウェブサイトURL」と「公開パス」は前々回にApacheのバーチャルホスト機能で定義した同サイト内であれば、自由に設定できます。ここではサイトのルートとなるディレクトリを指定しています。 -
しばらく待つと、
インストールを完了しました!
と表示されます。「Movable Typeにサインイン」をクリック。 -
これでめでたくMovable Typeがインストールされました。ローカルマシン上で自由に使える開発環境のできあがりです!
以上で全3回に渡る記事を終わります。
Apacheのバーチャルホスト設定とhostsファイルの設定をそれぞれ増やせば、管理するサイトを増やしていくこともできます。WindowsユーザーのWebデザイナーやフロントエンドエンジニアが利用するには、十分な環境となるのではないかと思います。欠点を挙げるとすると、「公開パス」でディレクトリ区切りが(Windows環境なので)バックスラッシュになることだったりします。ローカルで開発したものを本番の(Linux系の)サーバーに乗せる、という場合はこの辺りの設定を修正する必要があるということですね。