しばらくぶりのブログ。最近はというと転職し、5月から新しい会社で働いている。
新型コロナウィルスの影響もあって、IT企業はリモートワークが一般的になったとは思う。しかし新しい会社のユニークなところは、そもそもフルリモート勤務がOKなところだ。リモート勤務前提で、地方から参画しているメンバーもいる。(もちろん、希望すればオフィスに行ってもOK)
緊急事態宣言の影響もあって転職前の環境からリモートワークとなっていたが、実際にこの数ヶ月フルリモートワークをしてみて、いろいろ思うところはあった。いま感じている課題は以下のようなものだ。
- 他チームとの連携の難しさ(特にリアルタイムコミュニケーションを必要としている職種との)
- Slack を見ていると結局同期的なコミュニケーションになりがちで、自由な働き方にはほど遠い
- うまく成果をあげられないメンバーをどうフォローするか
- うまくいかずに悩んでいるメンバーが悩んでいる過程が見えにくい。「悩んでいます」と言える人はそもそも自分で解決する能力がある人。問題はそれが言えない人をどうフォローするか
- 自身の成果が、会社や上司からどう見られているかがわかりにくい。会社はそれをどのようにわかりやすく評価するか
- 属人化による悪影響が顕著に現れる
- 属人化している業務があると、緊急を要する事態が起きたときにダメージが大きい
- わかりやすいドキュメンテーションが命で、誰かに聞かないとわからない業務があると業務が滞りがち
- ナレッジ的に属人化している業務は情報共有で解決するが、スキル的に属人化している業務はいまいるメンバーではどうにもならない。適切な人材を採用するかアウトソーシングするしかない(あ、これはリモートワークとは関係ないか)
ネガティブなことばかり書いてしまったが、良いことだってもちろんある。しかしまあ、通勤が必要ないとか、家族との時間が増えるとか、そういう一般的なことなのでわざわざここで書かなくていいかな。
ところで GitLab は会社の経営方針を Handbook として公開していて、スタートアップにとってとても参考になる。そのうち GitLab’s Guide to All-Remote はリモートワークチームにおけるスタンダードを示していると思ったので、以下に引用しておきたい。
Hiring and working from all over the world instead of from a central location.
一極集中ではなく、全世界から採用し働くFlexible working hours over set working hours.
固定された業務時間より、フレックスタイムWriting down and recording knowledge over verbal explanations.
口頭による説明より、書き起こされ、記録されたナレッジWritten down processes over on-the-job training.
OJTより、書き起こされたプロセスPublic sharing of information over need-to-know access.
知る必要がある人にだけ与える情報共有より、公にする情報共有Opening up every document for editing by anyone over top-down control of documents.
ドキュメントはトップダウンで管理するより、誰でも編集できるようにすべてのドキュメントを公開するAsynchronous communication over synchronous communication.
同期的なコミュニケーションより、非同期的なコミュニケーションThe results of work over the hours put in.
使った時間より、仕事の成果Formal communication channels over informal communication channels.
非公式なコミュニケーションチャネルより、公式なコミュニケーションチャネル
簡単には諦めずに改善を積み重ねて、うまく回せるようなチームを作っていきたい。