映画『スティーブ・ジョブズ』を見て【ネタバレ注意】

普段Appleプロダクトにお世話になっている一個人として、映画『スティーブ・ジョブズ』を観に行ってきた。

正直、映画としては残念な部類。
「え、そこで終わるのかよ?!」というところで終わっちゃったりします。

自分は書籍『スティーブ・ジョブズ』(彼の死後出版された伝記本)を読んでいるので、映画に出て来たどのエピソードも理解できたけど、それは映画に出てこないシーンも頭の中で補完できたからだと思う。
書籍『スティーブ・ジョブス』がおもしろいのは彼の人間性、人生と、Appleという会社の盛衰がうまく絡み合って描かれた物語だからだ。映画ではAppleという会社での政治的エピソードが最もフィーチャーされており、スティーブの人間的側面は十分に描かれていたとは言いがたい。
とはいえ書籍で『現実歪曲空間』と言われていたジョブスの異常な説得力の描写はあったし、恋人との間に生まれた子供を自分の子供と認知しないなどというエピソードは盛り込まれていたものの、どれも投げっぱなしな印象で、「それでどうなった?」というか、起承転結がない、というか。

彼の伝記本は上下刊で、それぞれ400ページオーバーですよ。彼の一生のエピソードはそれだけのボリュームがあるんです。
一人の偉大な人間の一生を2時間程度の映画に納めるのはやはり無理というものなのか。うまく映画の尺に納めるには、無理が生じるのは仕方ないのかも。

もし映画を観て「物足りない」「なんだこれ」と思いつつ、スティーブ・ジョブスやAppleに興味を持った方は伝記本を読んでみることをおすすめします。そちらの方がおもしろいですよ。

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