Maxのドキュメントを読む その1 (Javascript in Max 01 – Basic Techniques)

最近 Max というビジュアルプログラミング言語を学んでいる。js / jsui オブジェクトというのがあり、その中で JavaScript が書ける、ということでドキュメントを読んでいる。 正直流行っていない言語なので情報が少なく、とにかく公式ドキュメントを読むしかないのである。

読んだドキュメントを備忘録的にエントリーしておく。その第1弾。


注意事項

  • JavaScriptファイルを更新した場合、MAXパッチを開き直さないと変更が反映されない

Arguments

Document

js オブジェクトに渡した引数は JavaScript 内では jsarguments[] 配列で参照できる。

  • jsarguments[0] => ファイル名 (required)
  • jsarguments[1] 以降 => その他の引数 (optional)

ということになる。

Test Code

function bang() {
  post(jsarguments[0], jsarguments[1], jsarguments[2], jsarguments[3]);
}

Arguments test


How Input to the js Object is Handled

Document

js オブジェクトの inlet に foo 1 2 3 というメッセージを送った場合、グローバルスコープの foo() 関数を引数 1,2,3 と共に実行するということになる。

Test Code

function foo(a, b, c) {
  post(a, b, c);
}

How Input to the js Object is Handled

なお、グローバルスコープは jsthis オブジェクト(ブラウザ JavaScript でいう window オブジェクト)とドキュメントには書いてあるが、jsthisオブジェクトを呼び 出そうとしてもMAXウィンドウに Javascript ReferenceErrod: jsthis is not defined と出て怒られる。なんだこれは。 一方、一般的な this オブジェクトは機能している。

function foo() { }
post(this.foo === foo); // 1 (true)

Special Function Names

Document

msg_int, msg_float

Document

inlet に int が入力されると msg_int() が呼ばれる。inlet に float が入力されると msg_float() が呼ばれる。msg_float() が未定義の場合、 msg_int() が代用で呼ばれるが、少数点以下は切り飛ばされる。 なお msg_float() は少数点第3位以下を受け取ることができない。

Test Code 1

function msg_int(a) { // a == 1
  post(a); // 1
}

msg_int

Test Code 2

function msg_int(a) { // a == 1
  post(a); // 1
}
function msg_float(a) { // a == 1.23456
  post(a); // 1.23
}

msg_float


list

Document

inlet に最初の値が int もしくは float の list が入力されると list() が呼ばれる。 上記の例のように最初の値が String の list はその String 名の関数が呼ばれる。

Test Code 1

function list(a, b, c) { // a == 1, b == 2, c == hoge
  post(a, b, c); // 1 2 hoge
  post(arguments.length); // 3
}

list


anything

inlet に入力されたものに該当する function が定義されていなかった場合、anything() で受け取ることができる。例えば int が入力されたときに msg_int() が未定義だったら anything() が呼ばれる。float や list でも同様。
anything() 内部では messagenameinlet 変数が定義されており、それぞれ inlet に入ったメッセージの種類と、inlet 番号を参照できる。

Test Code 1

function anything(a, b, c) { // a == 1, b == 2, c == hoge
  post("messagename", messagename); // messagename list
  post("inlet", inlet); // inlet 0
  post("anything", a, b, c); // anything 1 2 hoge
}

anything


loadbang

Document

loadbang() はパッチ起動時に呼ばれる。js オブジェクトや jsui オブジェクトを追加した時ではなく、あくまでそれを予め含むパッチ起動時に呼ばれることに注意。
Cmd+Shiftを押しながらパッチを起動すると loadbang を無効化できるが、無効になっているかどうかは max.loadbangdisabled プロパティに 1 が入っているかどうかで分かる。

Test Code 1

function loadbang() {
  if (max.loadbangdisabled == 1) {
    post("no loadbang");
  } else {
    post("loadbang!");
  }
}
function bang() {
  post("bang!");
}

普通にパッチを起動した場合
loadbang

Cmd+Shiftを押しながらパッチを起動した場合
noloadbang


getvalueof

Document

JavaScript 内で定義した変数の値(String か Number)を pattr 関連オブジェクトから呼び出せるようにする関数。 → pattr オブジェクトのことがよく分からないので、テストコードが書けない。後で復習する。


setvalueof

Document

pattr 関連オブジェクトから JavaScript 内に変数(Number か String)をパスできるインターフェースを提供する関数。 value が複数の場合、jsthis オブジェクトの arrayfromargs() メソッドで引数を扱うと良いとのこと。
→ pattr オブジェクトのことがよく分からないので、テストコードが書けない。後で復習する。


save

Document

save() を定義すると、JavaScript 内の状態をパッチに保持することができる。 パッチが再読み込みされると、JavaScript 内の状態が復元される。

save() 内だけで使える embedmessage() を使い、値を保存する。

  • embedmessage() の第1引数には保存された値を渡したいコールバック関数名を文字列で渡す
  • embedmessage() の第2引数以降には保存したい値を渡し、これがコールバック関数の引数に渡される

Test Code 1

var valuetosave = 0;
function foo(v) {
  valuetosave = v;
}
function save() {
  embedmessage("callback", valuetosave);
}
function callback(v) {
  valuetosave = v;
  post(v);
}

foo 1 メッセージを送ったあと、パッチを再起動した場合
save

foo 2 メッセージを送ったあと、パッチを再起動した場合
save


notifydeleted

Document

js オブジェクトが削除されたときに呼ばれる

Test Code 1

function notifydeleted() {
  post('js object was deleted.');
}

notifydeleted


Global Code

Document

グローバルスコープに書かれたコードは編集された後、スクリプトがロードされるかコンパイルされたタイミングで評価される。 js / jsui オブジェクトが完全に作られる前に評価される。 js オブジェクトがいくつ inlet / outlet を持つかはグローバルコードからは分からない。これはグローバルコードから inlet / outlet をいくつにするか定義できることを意味する。しかし言い換えれば、まだ outlet が存在しなければ、使うことはできない。 初期化処理を書きたい場合は loadbang() の中に書くべし。

グローバルコードでやるべきこと

  • inlet / outlet の数を定義する
  • jsarguments[] プロパティ(js オブジェクトの引数)にアクセスする
  • inlet / outlet の値の操作
  • グローバル変数の定義と初期化
  • グローバルアプリケーション環境にアクセス&操作するため、Max オブジェクトを使う

グローバルコードでやるべきでないこと

  • outlet から何か出力すること
  • js オブジェクトが置かれたパッチ側を参照しようとすること

Private (Local) Function

Document

js オブジェクトへの inlet メッセージから参照されたくないローカル関数を作りたい場合、local プロパティに 1 をセットする。

Test Code 1

function foo() {
  post("Welcome to 'foo' method!");
}
foo.local = 1;

private function

Mac OS / iPhone TouchOSC 間でアドホック通信するためのメモ

MacOS 設定

共有>インターネット共有

  • 共有する接続経路: (ウチの環境だと) Display Ethernet
  • 相手のコンピュータが使用するポート: Wi-Fi
  • Wi-Fiオプション: ネットワーク名、パスワードは適当に

ネットワーク>Wi-Fi

  • ネットワークを作成
  • 先述のWi-Fiオプションで設定したものと同じものを設定
  • 自己割当IP が出るのでメモっておく

iPhone 設定

設定>Wi-Fi>デバイス

  • さっきのネットワークがあるので接続

TouchOSC>Settings

  • MacOS側の自己割当IP、ポート番号を入力

[Mac/iPhone]壁紙アプリKuvvaとDeko

最近ハマっている壁紙アプリがあるのでご紹介。2つあります。

Kuvva

KuvvaはMacとiPhone向けの壁紙アプリ。アプリとウェブサービスが連動しており、ウェブサービス側からアプリへと壁紙を配信する仕組み。ウェブサービスに無料のアカウント登録をすれば、「お気に入り(Favorites)」などの情報をMacとiPhoneで共有することができる。

iPhoneアプリやサイトからは、登録されているアーティストごとに作品の一覧を見ることができ「お気に入り」を管理できる。

Kuvva Website

もちろんMacアプリで直接「Add to favorites」も可能。

Kuvva for Mac

Deko

DekoはiOS向け壁紙アプリ。特定のパターンから画像をジェネレートし、壁紙として保存したり、シェアしたりできる。

deko1

画面を左右にフリックするとパターンが変化するのだけど、速くフリックすると新しいパターンに、遅くフリックすると同じパターンで色違いになったりする。どういうルールで変化するのかいまいち分からないし、使いやすいとは言えないけど、独特のインターフェースだなあと。なにより、どういう画像ができるか分からないという偶然性が魅力的。

deko2

実際に壁紙にしてみると、こんな感じ。

deko3

アプリのダウンロードは無料だけど、高解像度で画像を保存するために1.99$のアドオンが必要。一度支払うだけでOK。

deko4

あとがき

気軽にアートに触れることができる、こういったアプリやウェブサービスが出てくるのは嬉しいですね。決して大衆向けとは言えないかもしれませんが、盛り上がって行くといいなあと思います。

ネタ元

surround.vimの使い方で気づいたこと

surround.vimがいつからかVisual mode+sで起動しなくなり、Visual mode+Sにキーバインドが変更になった。

Visual mode+sを普通に使っていた僕にとってこれは手痛い変更。Visual選択してからShift押してsなんて、かったるくてやってられない。

しかし改めてドキュメントを読んでいると、ys+[なんたら]が強力であることが分かって、そっちに乗り換えるのが正しい使い方なんだろうなと思った。

例えばこれを

<h1>大見出し</h1>

こうしたいとする

<h1><a href="#">大見出し</a></h1>

今までは

vits<a href="#"<Enter>

とやっていた(Visual modeでタグの内側を選択してからsでsurround.vimを起動してタグを打ち込んでEnter)。 でも今はこうしなきゃいけない。

vitS<a href="#"<Enter>

途中でShift+sは苦痛。 しかしこうできることが分かった。

ysit<a href="#"<Enter>

(タグの内側に対してsurround.vimを起動。タグを打ち込んでEnter)
久しぶりに「おおっ」と思った気づきなので、思わす記事を書いてしまった。

世間ではVim Advent Calendar 2011をやってるみたいです。Check it out!!